骨軟部腫瘍の病理診断と画像診断 -骨腫瘍を中心に-
京都府立医科大学 病理学教室
小西 英一
骨軟部腫瘍においては病変の多様性から、その病理診断が容易でないことはよく知られている。我々病理医は、正確な病理診断をすべく、臨床医からもたらさ
れる情報を重要視する必要があるが、骨軟部腫瘍も例外ではない。特に生検診断時には、得られた組織像が画像所見を含めた臨床所見と矛盾がないかを常に考慮
する必要がある。一方近年画像診断においては、新しい手法が導入され、それぞれの腫瘍の組織型に応じた様々な特徴的所見が指摘されている。今回、病理診断
過程における、臨床所見、特に画像所見の重要性について述べると共に、比較的画像診断論理が確立している骨腫瘍の代表例を用いて、一般によく知られた画像
所見が、実際の切除材料において肉眼的・顕微鏡的病理所見とどのように対比しているのか症例を呈示しつつ述べたい。また、骨軟部腫瘍診療におけるチーム医
療の重要性を述べたい。