従来、AILD型と呼ばれたものであり、臨床的にpolyclonal hypergammaglobulinemiaを伴う。一般に、全身性の病変であるが、近年、早期でリンパ節を部分的に侵す症例も見つかっている。しかし、非常に細胞異型性が低い症例もあり、分子病理学的にTCRの再構成を証明する必要がある例もあるので、注意を要する病変である。一般に経過が長いようで、10数年して再発時に初めて"リンパ腫であったのだ"と診断される例もあり、長期の経過観察を勧めて置く必要がある。AILD型T細胞性リンパ腫と診断する時には、臨床は強い化学療法を行うので、確証を得る必要がある。
組織像は、血管の増生、明徴なリンパ腫細胞の曖昧な集簇やクラスター形成が特徴的である。CD21染色でのFDCの不整な増生は特徴的な所見である。
70才台前半女性。HTLV-1陰性。3ヶ月の化学療法(CVP:エンドキサン、オンコビン、プレドニン療法)後、1ヶ月で再発し、全身リンパ節の腫大が出現した。右頸部リンパ節の生検が行われた。
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