small lymhocytic, lymphoplasmacytic, mantle cell, marginal zone B-cell lymphoma

大阪市大病理 大澤政彦

症例1

60歳台前半 男性 頸部リンパ節腫脹 標本は頸部リンパ節生検組織
Chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma(CLL/SLL)

組織像:一般的な特徴は小型のlymphoid cellがび慢性に増殖を示し、その中に周囲より明るい濾胞様構造(proliferation center)が見られる。小型のlymphoid cellは類円形の核を有し、chromatinが凝集する。核小体も見られることがある。分裂像はほとんど見られない。proliferation centerでは周囲よりmedium-sized, large-sized lymphoid cellの比率が多い。核は類円形でchromatinは核膜により明瞭な核小体を有する。

Fig.1-1 比較的均一な小型のlymphoid cellのびまん性増殖がみられ、局所的に大型の細胞の集簇 (proliferation center)(矢印)が見られる。

Fig.1-2 強拡大像

症例2

50歳台後半 女性 右耳前部リンパ節腫脹 クリオグロブリン血症と肝硬変(HCV)を合併、肝不全にて死亡。標本は剖検時リンパ節組織
Lymphoplasmacytic lymphoma(LPL)

組織像:一般的な特徴はび慢性増殖を示し、CLLのようなproliferation centerは無い。反応性リンパ濾胞を残しinterfollicular areaに増殖することもある。小型のlymphoid cellとplasmacytoid lymphocyteや形質細胞よりなり、後者には核内封入体(Dutcher body)を散見する。免疫芽球もさまざまな程度に見られる。

Fig.2 小型のlymphoid cellとplasmacytoid cell、形質細胞が増殖を示す。Dutcher body(矢印)が散見される。PAS染色

症例3

60歳台後半 男性、腹腔内腫瘤および腋窩リンパ節腫脹、腸管内多発polyp様病変 標本は腋窩リンパ節生検組織
Mantle cell lymphoma (MCL)

組織像:一般的な特徴はやや不整な核縁を有する小型から中型のlymphoid cellの均一な増殖からなる。び慢性やはっきりとしない結節性増殖を示したり、二次中心周囲に増殖を示す。核はchromatinに富み、核小体は不明なことが多い。

Fig.3 萎縮した胚中心と考えられる構造(矢印)の周囲にび慢性に小型のlymphoid cellがびまん性に殖を示す。

症例4

60歳台後半 男性、左下肺野に2.8cmの腫瘤影を指摘される。標本は摘出肺組織
Marginal zone B-cell lymphoma (MZL)、Extranodal MZLof mucosa-associated lymphoid tissue (MALT lymphoma)、nodal MZL, splenic MZLが含まれる。

組織像:MALT lymphomaの一般的特徴は(1)リンパ腫細胞は細長い核や切れ込みのある核からなるcentrocyte-like cellからなるがmonocytoid B cellといわれる形態も示す。(2)リンパ腫細胞が上皮に浸潤し、lymphoepithelial lesionを形成する。(3)形質細胞への分化を示す。Mantle zoneの外側へリンパ腫細胞の増殖が見られるが、時に胚中心に浸潤しfolllicular colonizationを示す。

Fig.4-1 胚中心の周囲に小型のlymphoid cellがびまん性に増殖する。

Fig.4-2 強拡大像lymphoepithelial lesion(矢印)が見られる。


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