嚢胞性肺疾患の外科的肺生検例


京都桂病院病理検査室 水田 直美

 画像所見を含む臨床所見からは、肺に嚢胞を形成してくる疾患(空洞形成は除く)には、
(1) 気腫性肺のう胞(ブラ、ブレブ)
(2) Pulmonary Langerhans’ cell histiocytosis (PLCH) (eosinophilic granuloma of lung)
(3)Lymphangioleiomyomatosis (LAM)
(4)Lymphocytic interstitial pneumonia (LIP)
(5)Cystic bronchiectasis
(6)Metastatic lung neoplasm
などである。しかし、(1) 以外の疾患の頻度は低く一般病院で遭遇することはきわめてまれである。そのような疾患に遭遇した時、経験に基づいて自信を持って病理医として診断を行うこ とは難しいのではないかと思われる。
 今回、LAMの早期病変例の外科的肺生検を経験した。京都大学病院と近畿中央胸部疾患センターで、その他の嚢胞形成性肺疾患について勉強できる機会が あったので本講習会では特に(2,3)について若干の文献的考察を加えて説明させて頂きたい。