645:乳癌手術後7年目に生じた肝腫瘍

田附興風会北野病院臨床病理部(1)、京都大学病理系(2)、大阪大学微生物病研究所(3)、大阪歯科大学口腔病理学 (4) 

鷹巣晃昌1)、香月奈穂美1)、笹田哲朗1)、高林有道1)、高橋 玲2)、原 重雄3)、和唐雅博4)


【症例】  70歳前半 女性
【主訴】  特になし
【既往歴】 30歳代後半 子宮筋腫 60歳代後半 乳癌

【現病歴】 7年前に当院にて乳房切除術を受ける(Invasive ductal carcinoma, medullary, pT1pN0M0, ER-/PgR-) 以後当院胸部外科でフォローアップされていた.7年後の胸部CTにて肝S4に周囲がやや増強を受ける不均一な低吸収域を認め,転移と考慮された.以降化学 療法(Endoxan, テラルビシン, 5FU, 4週毎)6クール施行するも変化なし.化学療法開始後6ヶ月のCTでも腫瘤は徐々に増大するも,他に明らかな転移と診られる腫瘤影を認めなかった.同月外 科受診.FDG-PETでも肝S4に集積を認めた.化学療法開始後7ヶ月のAngio,でもS2-S4に動脈相で濃染する腫瘤を認めた.その後の Lipiodol-CTにて新たにS4にLpd集積を認め,HCC,Metaの混在と考慮され,拡大左葉切除必要と判断し化学療法開始後8ヶ月手術目的で 入院となった.

【入院時検査成績】(省略)
【手術所見】肝の腫瘍を除き,腹腔内は特に異常なし.
【腫瘍割面肉眼像並びに組織像】Hpに掲載(図1,2,3)
【問題点】1.病理診断
     2.リンパ球など浸潤の意味
     (配布標本は,肝腫瘍の一部)