647:融合腎に発生した腎腫瘍の一例
滋賀医科大学医学部付属病院検査部(1)、同病理部(2)
小島史好1)、角谷亜紀1)、石田光明1)、九嶋亮治2)、岡部英俊1, 2)
【症例】 60歳代後半、男性
【主訴】 肉眼的血尿
【既往歴】慢性関節リウマチにてリマチル服用
【家族歴】特記すべきことなし
【現病歴】約25年前、交差性腎偏位の融合腎および右腎のcystを指摘されていた。肉眼的血尿が出現したため、近医からの紹介で、当院泌尿器科を受診
し、エコーにて右腎に3.8cmのLDAを指摘された。その3日後、右腰背部痛が出現し緊急入院となり、急性腎盂腎炎と出血性腎嚢胞と診断された。尿細胞
診にてclassWと一度診断されたが、更に精査するも明らかな腎tumorの存在は確認できず、外来f/uとなった。4ヶ月後右背部痛が出現したため再
度入院となり、右尿管鏡検査を施行したところ、右腎盂内にtumorを認めたため、右腎尿管全摘術および膀胱部分切除術を施行した。
【肉眼所見】萎縮した左腎が右側に偏位しており、左腎の上極と右腎の下極で融合し、L字型となっている。融合した右腎に、出血を伴う白色調の8×5cmの
充実性腫瘍を認め、cysticな成分は認めなかった。腎腫瘍は周囲と癒着していた。
【問題点】病理組織診断
【写真】初回マクロ像 ルーペ像 弱拡大 上皮中拡大
間質弱拡大 間質強拡大