650:再発にて組織型が確定した乳腺腫瘍の1例

市立堺病院病理・研究科(1)、外科(2)

和田 直樹1)、山内 道子1)、山内 道子2)、中山 貴寛2)



【症例】50歳代,女性

【既往歴】帝王切開第1子

【現病歴】
左乳房の痛み・しこりがあり,当院外科受診.左乳房CD領域に約7cm大の不整な硬い腫瘤を認めた.諸検査のうえ,左乳癌(浸潤性乳管癌),T3N2M0 と診断.MRI造影検査で,腫瘤は辺縁が不明瞭もしくは鋸歯状に造影されるが,内部は造影されない所があり,壊死を思わせる次第であった.初診後1ヶ月半 から術前化学療法施行.化学療法後の画像検査にて腫瘤は縮小し,C領域に5mmくらいまでの結節が散在する程度になった.臨床効果判定PR.初診後8ヶ 月,左皮下乳腺全摘術及び腋窩リンパ節郭清施行.術後も経過観察・治療を続けた.初診後11ヶ月,左足を引きずる感じが出現し,画像検査にて脳転移を指摘 され,γナイフ治療施行.また,画像検査にて骨転移も指摘され,翌月に胸椎に対し放射線療法施行.初診後1年4ヶ月にて,左前胸部局所再発腫 瘤に対し,局所切除施行.この再発材料で病理組織学的に組織型が確定した.他,画像検査にて肝転移を確認.

提出したH.E.標本は初診後1年4ヶ月の再発材料から切り出したものです.


【画像】
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