654:肺腫瘤の一例
奈良県立医科大学病理診断学講座
武田 麻衣子、笠井 孝彦、榎本 泰典、田村 智美、中峯 寛和、
野々村 昭孝
【症例】20歳代後半、男性
【主訴】なし
【臨床診断】左肺下葉腫瘍
【既往歴】特記事項なし。
嗜好品:酒;なし、タバコ;10本/日(3年)
【家族歴】特記事項なし。
【現病歴】
会社健診の胸部レントゲン検査にて左肺野異常影を指摘された。精査目的にて当院心臓血管呼吸器外科受診し、胸部CT上左肺S10に28mm大のsolid
な腫瘤が認められた。CEA(9.5ng/dl)の軽度上昇あり、肺癌が疑われ、左下葉部分切除術が施行された。入院後、PETを含む全身の諸検査が行わ
れたが、他臓器に腫瘍は認められなかった。
【入院時検査成績】
血液・生化学検査は著変なし。腫瘍マーカー:CEA 9.5ng/ml、CYFRA <1.0ng/ml、pro-GRP20.3pg/ml
【肉眼所見】23×15×25mm大の末梢肺結節性病変。 マクロ写真
【問題点】病理組織診断