特別講演:激増する乳癌と病理





鹿児島大学医歯学総合研究科 腫瘍学講座
吉田 浩己


 激増する乳癌への対策は極めて重要な緊急課題で、死亡者を減らすための早期発見と適切な治療の確立と、激増をおさえるための予防策の開発が急務である。 適切な診療が行われるためには、病理学診断・情報が不可欠である。予防策の開発ためにも乳癌の発生と進展機序と関与する因子を明らかにしする病理学的探求 も強く求められている。今回、乳腺病理学において、ここ数年間に提唱された特記事項について述べたい。



  1. 診断および予後因子について
  1. 日本乳癌学会の乳癌取扱い規約「乳腺腫瘍の組織学的分類」の改正
  2. WHOの乳腺腫瘍の分類
  3. St. Gallen 2005治療指針
  1. ホルモンレセプター(Allred score分類、日本乳癌学会班研究判定基準)
  2. 組織学的異型度(悪性度評価、Elston&Ellisによる改良Bloom&Richardson組織分類、NSAS核分類)
  1. センチネルリンパ節
    微小転移


  1. 乳癌の発生と進展と危険因子について
  1. 乳癌前駆病変と乳癌の初期像
  2. 乳腺領域幹細胞と乳癌の発生(乳癌幹細胞)
  3. 乳癌の危険因子について