674:腎癌の一例

京都大学医学部附属病院 病理診断部
黒澤 学、 三上 芳喜、 真鍋 俊明


【年齢/性別】 18歳/男性

【主訴】 肉眼的血尿

【既往歴】 特記すべき事項なし

【家族歴】 特記すべき事項なし。

【入院時臨床検査】 特記すべき所見なし

【腫瘍マーカー】 CA19-9 13.6 U/ml, CYFRA 2.4 ng/ml, NSE 13.32 ng/ml

【尿細胞診】 陰性(他院データのため詳細不明)

【画像所見】
腹部CT/MRI: 左腎背側に直径約5cmの腫瘤あり。CTでは全体として高濃度だが、内部に石灰化と低吸収域が認められた。MRIではT1強調画像で腎皮質と等信号、T2強調画像で低信号を示していた。造影効果は認められなかった。
FDG-PE: 左腎腫瘍、傍大動脈リンパ節、左腎頚部リンパ節に集積あり。
ガリウムシンチ: 異常集積なし。

【臨床経過】 肉眼的血尿が出現したために精査が行われた。腹部超音波およびCT/MRI検査が施行され、左腎腫瘍の存在が確認された。生検が施行され、その1ヶ月後に左腎全摘術が施行された。

【送付標本】 腎腫瘍組織HE染色標本

【問題点】 病理組織診断