676:稀な大腸病変の1例
大津市民病院 病理科
西村綾子、益澤尚子、岸本光夫
【症例】60代後半、女性
【主訴】腹部不快感、下痢
【既往歴】10年前:脳出血(左半身麻痺)
【現病歴】便秘・腹部膨満のため下剤を3日間服用したところ、大量の排便・排ガスを認めた。その後、右側腹部痛と水様性下痢が出現し、数日間持続したため
当院を受診した。来院時、下部消化管内視鏡検査で下行結腸粘膜の浮腫状変化と横行結腸粘膜の粗造化を認め、精査加療目的で入院となった。絶食・補液により
保存的に加療したところ、下痢は軽快したが、腹部膨満・右側腹部痛は持続していた。入院第6日目に2度目の下部消化管内視鏡検査が行われ、生検が施行され
た。
【内視鏡所見】
○上行結腸~横行結腸:血管透見が不良で白色~青銅色の粗造な粘膜を認める。所々にびらんを認める。
○脾彎曲部~下行結腸:血管透見がやや不良な青銅色の粘膜を認める。
○S状結腸~直腸:血管透見がやや不良な粘膜を認める。
【生検部位+写真】
内視鏡画像
#1:上行結腸 弱拡大 中拡大 強拡大
#2:上行結腸 弱拡大 中拡大 強拡大
#3:脾彎曲部 弱拡大 強拡大
#4:上部S状結腸 弱拡大 中拡大
#5:下部S状結腸 弱拡大 中拡大
#6:直腸 弱拡大 中拡大