EBウィルス髄膜脳炎およびCD8陽性T細胞のモノクローナル増殖を呈したMTX加療リウマチの一例
籏智さおり, 八木田正人
EBウィルス(EBV)-DNA定量は血液中7400copy/ml、髄液中2400copy/mlと上昇しておりEBV髄膜脳炎と診断した。ステロイドパルス、アシクロビル点滴により臨床状態、検査所見ともに改善した。また、ステロイド開始前に採取した頚部リンパ節生検組織で、HE染色では胚中心の乏しい濾胞構造の破壊、傍皮質細胞の拡大が目立ち、伝染性単核球症に類似の変化であり、表面マーカーはモノクロナリティーを示唆する所見を認めなかったが、サザンブロットにてEBVのクロナリティーとTCR-Cβ1再構成を認めた。
さらなる検討でCD8陽性T細胞の一部でEBER陽性であった。この結果はCD8陽性T細胞のモノクローナル増殖を示唆する所見と考えられる。その後の臨床経過は、少量プレドニンの継続で、ウィルス感染症状はなく、表在リンパ節は触知せず、RA増悪も認めていない。