WHO分類は、WHO classification of TumorsのPathology & Genetics、Tumours of Hematopoietic and Lymphoid Tissues (Jaffe, Harris, Stein, Vardiman eds., 2001)として刊行され、それは、スライドに示す悪性リンパ腫を含む血液病理の悪性腫瘍の分類となっている。その中のT細胞性リンパ腫は、大別して、PrecurssorとMatureに分類されると共に、T/NK細胞性と分類されている。
私の担当するATLL、Angioimmunoblastic T-cell lymphoma (AILD type)、peripheral T-cell lymphoma, unclassified (PTL)は、adult T-cell leukemia/lymphoma (ATLL)はleukemia/disseminatedに、AILD typeとPTLはリンパ節の病気であるとされている。
組織像は、細胞構成が大きさ、形、そして、部位で多様であり、ホジキン細胞様の巨大細胞を示す例もあり、多くの大型リンパ腫細胞の核は斑状へテロクロマチン分布を示し、介在小型リンパ球も不整形な核を示す。多くの例は塩基好性の細胞質を有する。こう言った所見を確認すれば、一般に、ATLL流行地以外では、ATLLが疑われると言っても過言ではないようである。また、白血病を経過中に伴うことが多いので、末梢血の情報も入手すれば、より安心して診断が出来ると思われる。
以下の提示症例は、ATLLの中では明細胞性のもので、沖縄等の出身者に多いものと理解している。従来の鹿児島の症例は塩基好性ないしエオシン好性細胞質を有するものが多いようである。
60歳台後半女性。HTLV-1 キャリアー。4ヶ月前より腰痛が出現した。1ヶ月前に、CTで腹腔内リンパ節が腫大、両側そけい部リンパ節腫大が認められ、左ソケイ部リンパ節生検が行われた。